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「オルロジュリー」さんにて『へんしん不要』の書評を掲載いただきました

webメディア「オルロジュリー」さんにて、『へんしん不要』の書評を掲載いただきました。

書いてくださったのは磯貝依里さんです。



“書かれている著者の弱々しい日常はひとつひとつに目を凝らしてみれば切実でシリアスなものであるのに、この本の「この本はどのページを開いても100%絶対に調子が悪い」という状況があまりにもコミカルで、つい「ふふ」と笑いがこぼれてしまうのがふしぎだ。そのコミカルさこそがこの本の、この長い長いお便りの魅力でもある。”


“お便りはいつもささやかな気遣いから紡ぎはじめられる。

(略)この穏やかな最初の一行が目に映ると、なぜだか視界のこわばりが溶けていく。別の水槽にいた魚を新しい水槽に移す時、少しずつふたつの水を慣らしていくその光景のように、〈私〉と〈あなた〉の温度調整がされていく。〈私〉と〈あなた〉の水の温度が馴染んできたら、それから〈私〉の近頃の様子が記されて、わたしたち読者(あなた)は、〈私〉が今どんなふうに弱っているかを覗き見ていくことになる。”

著者は何度も何度も、読み手の浸かっている水の温度が冷たくなり過ぎないように、熱くなり過ぎないように、丁寧に目配せを送ってくれる。”


書き手としての目配りを丁寧に拾っては静かに頷いてくれる、そんな書評エッセイでした。

磯貝さん、素敵なご書評をどうもありがとうございました!




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